父が通販で買っていた壁掛けカレンダーに書かれた思い

壁掛けカレンダーイメージ

自営業の父は、性格の細かい人で、厳格で頑固という典型的な職人気質の持ち主です。
半分引退しているような状態ではありますが、それでも気質は衰えておらず、とにかく怖い人なのです。

その細かな性格は、わざわざ通販で毎回同じ表紙の同じ壁掛けの文字月表のカレンダーを取り寄せ、そこに決められたかのように予定を書き込んでいっていました。
毎月決まっていることでも、性格に書き込んであり、誰が見てもとっつきにくい人がいるんだなと思わせていたのです。

自分もやがて就職し、全く違うところに住むようになり、そんな父とも離れていきました。
巣立ちの時は誰にでもありますから、何も珍しいことではないでしょう。
しかし、そうではない人もいたりするのです。

たまに仕事で実家の近くを通る時には、よっていったりもするものです。
実家ですから、やっぱり落ち着きますし、ありがたい存在だと思うものですが、厳格で細かい父は連絡もなしに返ってくるなと怒ります。
ちょっと寂しくも腹立たしく思ってはいたのですが、そんな父もなくなり母親から見せられたカレンダーは意外なものだったのです。

あいもかわらず、通販で同じ表紙の壁掛けを買っていたようなのですが、仕事場ではなく自室に貼ってあったカレンダーには、私が戻る予定の日が細かな字で書いてあったのです。

厳格で細かい父ではあったものの、子供が帰ってくるのはうれしかったのでしょう。
そんなことは億尾にも出しませんでしたが、予定以外で帰ってくるとそこに書き込むことができなかったのかもしれません。
今でも同じ表紙を見ると、そのことを思い出してしまうのです。

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