通販で届くアートなカレンダーに込められた思い

カレンダーイメージ

絵が好きな自営業の父は、毎年どこからともなく、どこに国の人が書いたかわからないようなアートなカレンダーを買ってきていました。
いったい何の絵なのかわからない、抽象的なものがほとんどで、その意味すら分からないものだったのです

それでもカレンダーとして、曜日も日にちも確認することができたので、それなりに役目は果たしていたといえるでしょう。
だからと言って、ほしいものであったかといえば、そんなことは絶対にないと思っていたのです。

ある時、どうやら通販で注文した、新品のカレンダーがうちに届きました。
開けてみてもなんだかわかるようなデザインではなく、アートカレンダーだったのです。
そんなものに価値を見いだせるわけでもなく、適当に部屋においておいたところ、仕事場から帰ってきた父が激怒したのです。
それは、扱いが悪かったということは間違いありません。
それぐらい興味がなく、適当においておいたわけですから、怒られても仕方がなかったのです。
しかし、実はそこが問題だったのではありませんでした。
カレンダーを作る印刷会社や、前衛的でも必死にデザインをしてきたデザイナーに対する気持ちを、適当に扱ったことに対する怒りだったのです。

自営業の父からすれば、作ったものを大切にしてほしいと思ったのでしょう。
おかげで今でもアートなカレンダーを見るとそのことを思い出します。
ものは大切にしなければいけない、そんな時代に育った自分は父を誇りに思うのです。

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